ぬおー!カブール先生が82歳で亡くなられてしまったとのこと…一度でいいからカブール先生のチャランゴにギターで伴奏付けてみたかったと思い始めてもう30年、遅かったかー!
大学のサークル部室で、ステレオのスピーカー片っぽだけ付けて、カブールと勝手に共演しまくってた日々が懐かしい。そして一昨年これまた日本で勝手にトリビュートコンサートやったのも勿論!
本当にフォルクローレ抜きにしても超独特な音楽家であり、詩人であり、何よりユーモアがあり、本当に大好きな偉人、
そしてどんな安いチャランゴ弾いても一発でカブールの音にしてしまうあの分厚いコンドルの爪、
ウルトラテクニシャンなのに、そんなテクニックをlos alaracos(気取り屋さん)って言っちゃうそのユーモア、チャランゴは質草にも飲み屋じゃぶん殴る武器にもなるっていうパンクなところ
後にも先にも史上最高最強のフォルクロリスタでした。
確実に言えることは、カブール先生がいなかったら、絶対にフォルクローレこんな何十年もやってないし、もしかしたら聴いてもないかもしれない。
フォルクローレ知らない人に伝えるなら、その影響力は、ジャズならマイルス・デイビス、ロックならプレスリーかチャック・ベリーかビートルズ、歌謡曲なら美空ひばりか北島三郎、ええい、なんとたとえていいか分からんわ!
そしてフォルクローレ知ってる人に伝えるなら、少なくともカブールがいなかったら、ハイラスはいくら人気だって言ってもたぶんチャスカスくらい(すみません激失礼)、そしてホセホセロマルセロもルミリャフタもルスデルアンデもユラスもグルーポコカもグルーポアイマラもルパイも、もしかしたらサビア・アンディーナもカルカスですら、たぶん存在しなかったかもしれないのだ〜!
もう今晩は、誰が読んでようと読んでなかろうと、一人こで、Ernesto Cavour追悼動画祭りを開催することに決めた!
ご冥福を!Ernesto Cavour
最初に、一曲なんか選べねえけど、元気なお姿という点では78年グルーポ・ナイラでのカナダ・ケベック州でのライブ、len~o verde
こういう楽器の特性に合わせた超独特な曲作りもカブール先生の才能の一つ!
 

Flor de Caña
わしゃ誰が何と言おうとこのオリジナルが一番好き
っていうかコレ聴かずにケーナで吹く奴が許せん(笑)
https://youtu.be/aP10MxSmUwo 
 


そしてやっぱこの登り坂、ぶっ飛んでる勢い
イリマニのカバーとか聴くと逆にカブール先生の何が凄いか一目瞭然
そしてチューニングがどうのこうのとか超えたパワー!
ついでにこのギターはドミンゲスだと思うけどな
https://youtu.be/oGTgFwoUOIE



カブール先生が希代のメロディメーカーだった証左といえば、この曲、ダンサ・アイマラ!ハイラス時代にも録音してるけど、このルーチョとリカルドメンドーサ(ルパイ)の二重奏の美しさ!ついでにgrupo aymaraのルシアーノも最高だけど
https://youtu.be/XO_0VV-ng0Q?t=1561
 


そしてカブールの素晴らしさは、ユーモアにあふれた歌詞ですよ!特に好きなのはこの「椅子」、我らが木下さんとFernando Jimenezの名演カセットから。


そしてカブール先生の革新といえば、やっぱりこのファブレとドミンゲスとのトリオ、FOLKLORE!この1曲目の"La Pastora"の演奏がなかったら、きっとこういうケーナのロングトーンも無ければ、そもそもこの「カッコいい」フォルクローレ器楽曲も無かったと思います!
https://youtu.be/D49nE8G9mSA

 

そしてそのカッコいいフォルクローレは、Lucho Cavourという類まれなる兄弟を得てこの超名盤に結実するのであったー!
https://youtu.be/n-zTQvz1uLU
 


君たちは知っているか、カブール先生がケーナとチャランゴでクラシックのアルバムを出していたことを!そしてこの混沌としたエネルギーの塊、「剣の舞」!サビアアンディーナとかと違ってユーモアを忘れないのがカブールらしい(すみません失礼)ついでにフレディ・サントス大先生がカブール初共演だと思う(自信なし)
https://youtu.be/fXd85kfcEKo
 

そして名古屋大学フォルクローレ同好会に入会したものは、なぜか全員この曲を演奏することになっている"Sauce Alegre"(動画の題名が間違っているのはYouTube界隈よくあるから気にするな)チャランゴのコードソロ、ケーナのロングトーン、そして楽しい迫力あるリズム、親しみやすさとカブールの音楽が凝縮されたこのバランス、愛聴&愛演されるのは理由があるのだ。しかし変わったメロディだ。https://youtu.be/uoFbLdlU5t4 
 

今日の最後に
Quiruichito, papacito
!Charanguito Boliviano!
Cuando el vaiven de mi mano
no pueda rascar tus cuerdas,
cuando ya inutilmente
quira presonar mis yemas
llevare como recuerdo
el luto en mis diez uñas
(El Quirquincho Cantar / Ernesto Cavour 1940-2022)
キルキンチョ、すばらしい奴
ボリビアのチャランゴ!
おれの手の往復が
おまえの弦をひっかけなくなったとき
指先で押さえようとしても
もう利かなくなったとき
おれは思い出のよすがとして
十本の指に喪章をつけよう
(歌い手キルキンチョ/エルネスト・カブール、高場将美さん訳)